新世界におけるレトロとは何か お洒落なカフェ(Bunga Cafe)について 近藤会長にインタビュー
(ここからはインタビューも盛り上がってきてとても魅力的な内容だったので、臨場感をお伝えするため、関西弁をそのままお伝えしています)
Q 新世界という歴史あるレトロな街並みの中で、少しイメージが違う雰囲気ですが、昔からこういう雰囲気だったのでしょうか?
この雰囲気にしたのは、息子の世代からです。
昔は、新世界でカフェとバー、お酒が売れていたときもありました。外国人もインバウンドでたくさん訪れる時期がありました。
ただ、ラグビーのワールドカップを最後に、コロナで一気になくなってしまい、インバウンドで今まで走っていたことに気づきました。
このやり方でいくと、常連さんが育たなくなってしまう。その後、人っ子一人入ってこない状況が続きました。その中で、息子が本格的に戻ってきてカフェを充実させていきました。
「外国人だけでなく、日本人でも受け入れられるカフェを作っていこう」と、本格的にここまで大きく変わってきたのは、ここ3年(2023年3月現在)くらいです。
Q 新世界はコテコテの大阪のイメージがありますが、その中であえてお洒落なインスタ映えするようなイメージのお店にされたということですか?
ある純喫茶のお姉さんが言っていたのですが、「地元の人間はあえてコテコテなレトロを意識しているわけではない。たまたまこうなった。レトロレトロと言われているが、レトロが見直されているブームですけど、自分たちの店は昔のまま。結果としてレトロになった。ずっと続けていて今に至っています。私たちは、同じことしかやっていない。」
つまり、レトロな雰囲気を狙ってやったのではなく、世間からレトロを見直されるようになった結果、レトロになったということです。
レトロは、結果。
新世界って、昔やったら常連さんの街やってん。
でも、今は観光客がほとんどになってきてるから、観光客にも入ってもらってアピールするのが一つのアプローチになってるわ。
今からこのお店をレトロな感じにしようと思っても、作り物のレトロにしかならんから、自分の感性を大切にしてる。
新世界で生まれ育った地元の人間が、新世界でこのような店づくりをしたいという思いが根本にあります。
こういう店が地元にあったら嬉しい、他の店とは被らない店だということをこだわりにしてる。
レトロ風を商売でやるのもいいけど、本当のレトロはならではの雰囲気というものがある。
昔、私と同年代の方が経営している喫茶タマイシの店主がテレビを見ていて
衝撃的を受けた話があります。
NHKの番組で街歩きの番組があって、
新世界のある居酒屋に入った時に
アナウンサーの男性がボロボロ泣かはってん。
なんでかというと
その現場でレポートしているアナウンサーの男性が
昔、自分のお父さんと来た思い出が、瞬間的に一気に蘇った。
そういう、懐かしさや、自分の気持ちのどこかにある昔から持ってた思い出とか
親父の思い出とか
いろんなものが詰まったものが
こういうところのお父さんに来たという一気にフラッシュバックして
涙がボロボロ〜とでた。
そのテレビを見ていた、その喫茶の店主がこれが本当のレトロだと言ってた。
それくらい、レトロっていうのは、ほんまに深い言葉やと思う。
レトロ風では出せない雰囲気というものがある。
お店で使うてるもの、全部が年代物やねん。
これってうちの店にもあったような形や色、その当時のどこの店でも使ってような流行物があるねん。
今では手に入らないものや。
デザインであるとか、そのものが残っている。
昭和40年代とかで買うてたものが残ってる。
そういう雰囲気も含めてレトロやなと思ってます。
<お店の情報>
営業時間 AM11:30~19時までCAFE
BAR TIME 19時から0時までBAR TIME
※深夜までOPENしている場合あり。
日曜営業 木曜日 定休日