新世界の街と共に生きる純喫茶タマイチ オーナー店主にインタビュー
今回は店主の東田さんを新世界連合の近藤会長からご紹介を受け
新世界の純喫茶タマイチの歴史(過去、現在、未来)についてインタビューさせていただきました。
純喫茶タマイチは、2023年で創業95年になる新世界最古の喫茶店です。
Q どういうきっかけでタマイチをスタートされたのでしょうか?
私は、喫茶タマイチの3代目です。
歴史で言うと100年以上の歴史があります。
喫茶タマイチは、私のおじいちゃんが始めたんですが、
玉造の一丁目で始めたと言うことで、タマイチと名前をつけたらしいです。
僕らはおじいちゃんが寺田町を本店としてスタートして、新世界はのれん分けでスタートしました。
なんとかやってるうちに最近になってレトロがいいという言われるようになった。
ありがたいことに、お店の雰囲気がいいと言われるようになってきました。
レトロは、ほんまに結果ですね。
新世界と言う街が、まさにそれ。
結果的にレトロが評価されています。
昨今の喫茶ブームもあって成り立つような形になった。
なんにせよ。たまたまです。笑
Q 昔から、メディアや雑誌などで注目されることが多かったのでしょうか?
おかげ様で雑誌やメディアから取材を受けることは多いです。
町おこしも私たちの代から活発になってきて、
店の良さと言うよりは、街の良さをずっとアピールしたいとずっと思ってました。
昔は、イメージが悪かったんで。
ご存じのとおり、ガラが悪いと言われやすく
「あんなとこ行くな」と言われる街でした。
こんなところで商売していて、大丈夫だろうか?という不安もあった。
そこで、町おこしをしてイメージを変えていきたいというのがあった。
ただ、ガラが悪いわりに文化的なところもあります。
Q 文化的な部分というのは、どういった部分になりますか?
いちばんは、「じゃりん子チエ」です。
(引用:「じゃりン子チエ」なぜ時代超えて共感? 作者の直筆メッセージ | NHK | WEB特集 | 大阪府))
萩ノ茶屋あたりが、モチーフになってる。
漫画自体が普通に好きだったしこのへんだし、アニメにもなりと
新世界の街にも、似たようにええところがあるんだけどなぁと思ってました
言葉にすると簡単ですが
『 肩ひじ張らず、ざっくばらんに気楽な部分がある。』
とこですかね。
『他人にさほど干渉もしないし生きやすい』ところがあります
今の時代は、社会に役に立ちたいと言う風潮がありますが、
ええ意味でそんなこと関係ない。
かと言って、困っている人がいたら
ほったらかすかというと案外自分らでやっているというか
個人間福祉と言うか、世話みたる。
という感じで付き合う。
ほんまに「人情」なんですけど。
それもただ、いい人でいたいとか、
そんなわけでもなく、お互い様やろうという感じやし
そういう気風を街全体で感じるし
喫茶店のお客さんを通してそういうやりとりをずっと見とったんで。
人情味と言うか、優しさのようなものを大事にしている感じがします。
Q 将来、お店や街を通して伝えたいことはありますか?
「情」を大切にするのが、店の経営方針と言うと 大袈裟やけど、
「優しさ」と言うか、「人情味」と言うかそういう部分は残していきたいです。
ただ、将来のことを考えると好きだけじゃ続けれない仕事だと思います。
私が続けてこれたのは、この街の、新世界の街の影響と言うか、「面白い」要素が大きいかな。
よくも悪くも、がら悪いって言うので、苦労して、悔しかったり、悩んだりもするけど。。。
今思ったら、この街で商売して色々あって「面白い」と思えるようになったかなぁ。
ただ、そう思えるようになったのはこの歳(50歳代)になってからかな。
高校あたりまでは、この街嫌いやったんですけど。笑
単にガラ悪いとしか思ってなかったし、
将来どうしていくかというは、明確に決まってはないけど
大事にしていきたいのは、
今の「情」のようなものを大事にしていきたいとは思います。
ただ、最近はその「情」的なものは失っていく感じと言うか、それを感じることが多い。
いかにお客さんからお金をとるかだけになったら寂しいと思います。
効率が良くなっていくのはいいんですすが、 そればっかりは寂しいなと。
そう言う、「情」みたいなものが残っていける街やお店になったらと思っています。
Q 最後に純喫茶タマイチのおすすめメニューを教えてください
うちは、なんといってもプリンですね。
それからホットケーキも美味しいです。
ぜひ、食べに来てください!
(感想)
タマイチさんで感じたのは、温かみのある雰囲気でとても居心地の良い喫茶店です。
その居心地の良さは、店主の東田さんが新世界の街と共に
長年生きてきたことで経験され、大事にされてきた
「やさしさ」や「人情味」がにじみ出ているからかもしれません。
新世界の街の本当の魅力は、この「人情味」にある気がします。
とても言葉で伝えきれないので、まずは、是非、喫茶タマイチを訪れてみてください。
今回のインタビューでは、紹介しきれなかった新世界ならではの「人情」のお話や「喫茶タマイチの歴史」をより深く知りたい方は他の記事もチェックしてみてください。