KurashiHistory

時空で語る新世界の魅力(奇跡を感じる新世界とは)

新世界の額縁専門店 三好店主に額縁事業の過去・現在・未来についてインタビュー


通天閣のすぐ脇で、日本全国で見ても珍しい額縁屋の専門店を営んでおられる三好ご夫婦に額縁屋の過去・現在・未来についてインタビューさせていただきました!



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Q 額縁の専門店は初めて来させていただいたのですがどういったお仕事なのでしょうか


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額縁は既製品を販売することもありますが、

オーダー受けた場合は、木材からは作らずに、一部加工して、カットして額にします。

2階の工房で作っています。


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Q お客さんのニーズの変化はありましたか?

1959年創業で60年くらい商売していますが、昔は、新築祝いなどに、油絵などは、贈り物で贈ることが多かった。

 

昔は、風習のようなものでそういう時に注文いただくことが多かった。

 

他には、贈り物以外でも一軒家を建てたら、

リビングに飾りたくて自分の為に買うような人もいましたね。

 



 

 

Q 約60年以上、商売されてきた中で商品の変化はありましたか?

 

10号サイズで1万5千円位。

今だと、同じサイズでも、樹脂タイプの額縁は1万円を切るものもあります。

 

樹脂でできた額縁が販売されるようになったのは、約35年位前かな。

1988年あたりにバブルが弾けた後くらいにデフレになっていって、額縁代も下がっていきましたね。

 

今は、額縁はお客さんが節約で使い回しする人も多いです。



 

Q 今のお客さんのニーズは?

店の開店祝いに贈られる時や、外国人が観光に来られた時に日本的な絵や額縁が欲しくて購入されることが多い。

京都の街絵など。

 

お店で絵と一緒に買っていただいたり、絵を持ち込みされる方もいらっしゃいます。



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Q 将来、額縁専門店は、どうなっていくと思われますか?

 

将来的には、業界としては、店舗は少なくなっても残るところは残ると思います。

 

絵や額縁は、所得から言うと、始末されやすいです。

服や食べ物と違って必需品ではないので。

でも、絵を好きな人は一定層いる。

 

そういう人たちは趣味で、子供の頃に賞をもらったりすると、大人になっても書いたりするし、絵画の業界が全くあかんことはない。

 

それに、手書きのものは、心を打つと言うか、絵を癒しとして捉えている方もいらっしゃいます。日本画や油絵は作者の有名さに関わらず価値が出て貴重なものになっていくと思います。


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Q 工房を使って、額縁を作られる上で大事にされているこだわりなどはございますか?

 

カットする場合は、オーダーなのでとにかく、絵と額の映りが大事。

それがうまくいってないと、オーダーの意味がない。

 

実際に額縁と絵のバランスの映りがうまく行っているものを紹介してもらいました。




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(絵の色を一部、額縁に組み合わせるのが一つのポイントだそうです。)

 

あまり奇抜になっても映りが悪くなってしまうので。

 





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この絵は、風水の金運の色を使っているので、額縁の色も金運がよくなるような色を採用しています。

 

昔は、こういう加工は、うちのような小売はしなかったんですが、今は加工もするので小売がやることも増えてきました。




Q 額縁を作る時に大切にされている思いは?

 

額縁は意外と手間がかかったりするので、丁寧に作るのは当たり前なんですが。

 

イライラしながらとか、嫌な気持ちで作ると、額縁にそれが乗ってしまうので、いい気持ちで作るようにしています。


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Q 人気の絵はどんなものがありますか?

 

外国人の方は、やはり日本的な絵を好まれますね。赤富士など。


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舞妓さんの絵なども人気ですね。



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Q 新世界の稲荷神社を守ってると聞きました。


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私の父の代の頃からやっています。

初代の通天閣が建った時に、鬼門封じや商売繁盛の為に建てられました。

 

守っていかないといけないなと。

世話人が高齢なっているので、この仕事も引き継いでいきたいなと思います。


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稲荷神社では、全然知らない人が、祈ってらっしゃいます。

女性の人がお祈りに来られることも多いです。

賽銭をあげるかどうか関係無しに

 

私の思いとしては、生まれて額縁をやってきましたが、

新世界は、111年商売の街としてやってきました。

先祖代々からのものがある。

石碑に、名前が引き継がれている。

無くさずに残って行って欲しいかな。


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Q 奥さんとの結婚は、通天閣で奥さんがエレベーターガールをしていることがきっかけと聞いたのですが?馴れ初めを教えていただけますか?

 

私が、通天閣のエレベーターガールをしていて、友達と喫茶店でお茶をしていた時に声をかけられたんです。

 

その時には、1週間考えてさせてくださいと言ったんですが、これもご縁かなと思ってOKすることになりました。

 

【インタビューを通じて】

初めて入った額縁店でしたが、三好夫妻はとても二人とも朗らかで優しい人達でした。

 

何も知らない私にも分かりやすく、絵や額縁について教えてくださりました。

 

額縁も絵の一つであって、それだけで大きく印象が変わるし、癒しや空間をデザインするようなアーティスト的な部分もあるんだと思いました。

 

三好額縁店さんは、家族で経営され、昔ながらの昭和の仲良い家族を感じました。

 

 

高価な額縁だけではなく、舞妓さんや色紙などお土産にできるものあります。

 

新世界に来られた方は三好額縁店に足を運んでみてください!

 

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